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活動レポート

買い物弱者社協スタッフ・SWレポート

「買い物支援」~地域と事業者の協働で課題解決へ~

ニーズが高まる買い物支援

近年、私たちの身近な場所・地域で「買い物に不便を感じている人が増えている」という声を聞くことが増えてきています。
その理由は、高齢化による身体的状況の変化や、商店の閉店等による買い物環境の変化、坂道が多いなどの地理的特性、バス・電車の減便や路線廃止といった交通事情の変化などさまざまです。今後も高齢化や環境の変化が進む中で、日々の生活に欠かせない「買い物への支援」のニーズが高まっていくと思われます。
このような状況を受け福岡市社協では、福岡市から委託を受け「買い物支援推進員」を配置し、地域の実情に応じた持続可能な「買い物支援」の仕組みづくりに向けて、協力事業者等の開拓や、地域と事業者の橋渡しに取り組んでいます。市内5つの買い物支援のモデル地域において、買い物支援推進員のかかわりのもと、地域のささえあいと民間の力を活かした多様な活動を行いました。

ニーズが高まる買い物支援
買い物支援とは?

買い物は日常生活に欠かせない行為であると同時に、買い物をする時間やタイミング、嗜好などが人それぞれ異なる、非常に個別性の高い行為でもあります。そのため、地域の状況により住民の困り感は異なるため、買い物支援を行うにあたっては、それぞれの地域の実情に応じた活動が必要です。

福岡市では、買い物支援を大きく「買い物先への送迎」「臨時販売所の開設」「移動販売車」「宅配」の4つに分類しています。このような大枠の分類はありますが、実際には「この地域はあの町内に困っている人が多い」「ここは坂が急だから買い物に困りやすい」など、地域の事情がそれぞれ異なるため、買い物支援のモデル地域においても、地域の事情に合わせた方法を考えて取り組みました。

また、買い物支援は、単なる買い物の支援のみにとどまらず、買い物先の店内や移動販売の現場などにおいて「交流」が生まれ、また民生委員や地域ボランティアにとっては、買い物支援が「見守り・安否確認」につながるという特徴があると感じています。利用者からは「久しぶりに知人に会えて嬉しい!」「家の近くまで販売車が来てくれて助かった」「雨天時は買い物支援がないので寂しい」という声が聞かれ、買い物の日を心待ちにする姿も見られています。このような福祉的な関わりが生まれることも、地域と協働して買い物支援に取り組む大きな意義だと感じます。
■買い物支援4類型
■移動販売の様子
「買い物支援」の課題と今後

モデル地域での買い物支援を通して、移動販売における事業者の採算性・事業継続性の確保、買った品物の持ち帰りの支援、ボランティアの不足、ICTやキャッシュレスへの対応など、今後解決すべき課題もたくさん見えてきました。
ますます増加すると思われる買い物支援のニーズへの対応にあたっては、地域と事業者の協働が大きな力となります。買い物支援推進員として、また1人のソーシャルワーカーとして、今後も地域の実情に応じた買い物支援を推進し、高齢になっても安心して住み続けられるまちづくりを目指していきたいと思います。
(福岡市社協地域福祉課 買い物支援推進員:茂谷智博)

※買い物支援のモデル地域の事例や、そこから学んだ手法等を整理した「買い物で広がる ささえあいと笑顔の輪~買い物支援事例集~」が完成しました。

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